とうとう3分割になりました。
新人物往来社刊
森満喜子著 沖田総司シリーズ
著者の森さんは”医師”で大正13年生まれですからご存命でしたら93歳ですか。
改めて読み返すと意外で、
「定本のおもかげ抄」は、研究レポートとあってそこには、女性的筆致はありません。
映像のイメージで肺結核患者が、喀血を頻繁にするように描かれるのは違うとか。
医師の目からみた分析も確かです。
とにもかくにも、平凡な私からすれば、
戦前に女性で医師になられるという経歴は、
かなりのシンボリックな生き方に見えて。
他の男性作家、歴史研究家と同じです。
男性作家でも、冷徹な剣鬼のように書く方も書かない方も様々ですが。
その研究の成果が史実を新たな解釈で
沖田像を作り上げていったそこに短編集の哀歌であり、幻歌でしょう。
沖田総司抄から、
著者のことばを引用します。
「沖田総司は英雄豪傑でもないし、聖人君子でもない。
白皙の美男でもなく、ニヒリストっでもない。
色の浅黒い背の高いごく平凡な青年である。
しいていえば、卓越した剣技の持主だったということぐらいであろうか。
どこにもいるよく笑う明るい青年。
それが幕末の動乱期に新選組という特殊な団体に身を置いてどのように対処したか、
しかも、肺患のために命の限界を知りながらどういう生き方をしたか、
彼の気取らないラフな二十五年の一生をを見つめると、そこに人生とは何か、
という命題に一つの解答が示されているような気がする。
華やかな明治維新史の陰にひっそりと咲いて散った一輪草の花
それが沖田総司のすがたかもしれない。」
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